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GLOBIS CAPITAL PARTNERS & Co. ベンチャーキャピタリスト 上村康太 のブログ。

不動産テックについてまとめていく。 Part1

FinTechという言葉を聞かない日はないほど盛り上がりを見せる今日このごろですが、ここでは個人的に注力をしている「不動産テック」について書いていきたいと思います。非常に幅が広い領域ですので、少しずつまとめていきます。まずは序章として今回は国内既存プレイヤーのまとめと整理からです。

FinTech(フィンテック)はその呼びやすさと大手銀行さんも取り組みを行うなどその呼称が普及しましたが、不動産✕ITは「Real Estate Tech」「RE Tech」「Home Tech」など複数の呼び方があり、長らくその呼び名が定まらずにいましたが、個人的にはわかりやすく「不動産テック」と呼んでいます。当該領域においては僕は、リノベーション住宅特化のオンラインマーケット「cowcamo(カウカモ)」 を運営するツクルバの投資を担当しています。


これまで不動産領域においては、その業界特性上IT化がなかなか進んで来ていませんでしたが、スマートフォンの普及により広く一般がインターネットに常時接続したことでやっと動き始めた印象を持っています。

「不動産テック」といってもその定義は広く、住宅なのか商用不動産なのかオフィスなのか、また流通事業なのか業務用システムなのか、などなど挙げるときりがありませんが、今回は住宅の流通に的を絞ってみたいと思います。

国内では住宅の流通に関しては、物件を探せる "不動産サイト" と一般に呼ばれているものの中にも各種違いがあります。一度その整理をしてみましょう。

まずは、「SUUMO」「Home's」「O-uccino」「スマイティ」「ホームアドパーク」などの総合情報掲載サイトがあります。不動産仲介会社が出稿することが可能な広告メディアです。

総合情報掲載サイトの特化型としては、賃貸住宅に特化した「マイナビ賃貸」「door賃貸」「キャッシュバック賃貸」、投資用不動産に特化した「楽待」などがあります。

情報掲載サイトの別レイヤーには、各情報掲載サイトの情報をアグリゲートした「@nifty不動産」「goo住宅・不動産」などがあります。また、アグリゲートサイトでありかつ売買中古住宅情報を直接出稿可能な「Yahoo!不動産」があります。

他には、不動産仲介会社のFCネットワークが自社の取扱物件のみを掲載する独自の情報サイトを持っている「アパマンショップ」「ホームメイト」などがあります。不動産FCネットワークが独自の物件情報を掲載する場に他社から出稿を開放している「CHINTAI」「いい部屋ネット」などがあります。

上記FCネットワークとは別に、多くの不動産仲介会社が加盟している情報ネットワークの加盟店の取扱不動産情報を掲載している「at home」があります。こちらは広告収益ではなく月額加盟料収益モデルです。

ここに加え登場したのが、先程投資先としてご紹介した「cowcamo」で、自社取扱物件と市場に流通する物件の中からおすすめ物件をキュレーションした独自メディア&会員機能を持ち、自社で仲介も行うメディア✕仲介融合型です。「R不動産」などもこちらに分類されます。

他には、会員限定のメディアを持ち掲載物件の仲介を行う、賃貸なら「nomad」「ietty」、売買なら「カウル」などがあります。賃貸を取り扱う2社はオンライン接客に強みを持ち、「nomad」と「カウル」は月額課金制や内覧都度課金などの料金体系に特徴があります。

新たなモデルのチャレンジとしては、Yahoo!ソニー不動産が開始した不動産の個人間取引を行うプラットフォーム「おうちダイレクト」があります。

なんとなく "不動産サイト" と呼んでいても、実は色々仕組みの違いがあるのだなとわかります。

物件を探せる不動産サイトの他にも、不動産購入をサポートするツールとして、過去の取引価格実績や相場推定情報を提供する「マンションマーケット」、「IESHIL(イエシル)」があり、こちらは自社での物件仲介機能を有しており、ツール✕仲介融合型といえます。

別のアングルでは、マンションごとの居住者の口コミを集めた「マンションノート」などがあります。こちらはメディア内のバナー等の広告収益モデルです。口コミ投稿に応じてポイントを獲得することができ、そのポイントを使い他者のレビューを見ることができる仕組みです。


非常にざっくりですが、まずは不動産流通に関わる国内プレイヤーをまとめてみました。次回は海外事例の整理を行なってみたいと思います。(個人的な考察に至るまでは道のりは長いですが頑張ります。)