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SyncLife

GLOBIS CAPITAL PARTNERS & Co. ベンチャーキャピタリスト 上村康太 のブログ。

起業・売却を経て、ベンチャーキャピタリストとして働く。

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私事ではありますが、2015年2月よりグロービス・キャピタル・パートナーズの投資担当の一員として、ベンチャー企業への投資/支援事業に従事することにしました。


これまで、人生の転機にはその時々の思考を記録すべくブログポストを書いてきましたが、今回また一つの転機を迎えたためここに書き認めたいと思います。

これまでのキャリアを振り返ると、Googleで広告営業を2年半、シンクランチ株式会社を起業、企業売却、そして売却先のDonutsで人事部長と、世界規模の大企業、スタートアップ、急成長期のミドルベンチャーと、結果的に大中小のフェーズの企業で仕事生活を過ごしてきたことになります。

現在、28歳。短期間に物凄く多くのことを体験し、目の回るようなキャリアを歩んできました。場合によっては、世間からすると"フラフラした若者"というように見えるかもしれませんが、自分は必要性に応じて意志を持ってこの人生を歩んで来たためこれまでの歩みに誇りを持っています。

これは常々思ってることですが、人はそれぞれの価値観に従って人生を歩めば良く、他人に対して己のものさしをもって確あるべしと声高に叫ぶのは己を慰める行為に過ぎないので、皆がもっともっと自分自身に向き合い、自分が満足する人生を歩めば、世の中はもう少しハッピーな場所になるだろうなと考えています。

今回自分も様々な葛藤に向き合いながらこの決断をしました。

人の体はひとつなので、何かを仕事にすることを選べば、何かを諦めなければなりません。そこにあるのが選択です。

先日一つの良書に出会いました。400mハードル日本記録保持者で世界陸上2大会で銅メダルを獲得したアスリート為末大さんの書籍で「諦める力」という本です。

そこには、

"「諦める」という言葉の語源は、「明らめる」だという。仏教では、真理や道理を明らかにしてよく見きわめるという意味で使われ、むしろポジティブなイメージを持つ言葉"

 

"可能性がなくなっていくと聞くと抵抗感を示す人もいるけれど、何かに秀でるには能力の絞り込みが必須で、どんな可能性もあるという状態は、何にも特化できていない状態でもあるのだ。できないことの数が増えるだけ、できることがより深くなる。"

と書かれていました。

何かに本気で挑み、そして成し遂げてきた人だからこそのとても深くて重い言葉だと感じました。


自分自身に置き換えてみると、大企業でのキャリア、起業家としての人生、成長ベンチャー企業幹部というポストを"明らめ"、今回の選択を選びました。

最終的に決めた理由はシンプルでした。まず、何よりそれをやりたいと感じたこと。そして、自分のこれまで経験してきたことが最も活きる世界であると考えたためです。周囲の経営者複数人からの薦めを受けたこともこの決断を後押ししました。

企業売却を行った際に、自分の尊敬する方から一冊の本を推薦されました。内村鑑三の「後世への最大遺物」という本です。

タイトルの通り、自分の人生をもってして後世に何かを残すということはどういうことか、そして何を残すべきか、という内容でした。

これまで後世に何かを残すだなんて大それた事は考えたこともなかったですが、読んでみればなるほど、人が幸せな生涯を送るためには素晴らしい考え方であると感じました。

そんな中、自分なりにこれから何が出来るだろうかと真剣に考えてみた結果、ベンチャーキャピタルという投資サイドから日本を代表する企業をこの世に生み出すことに、これからの人生をかけることを決めました。

VCは起業家の伴走者です、その任務は然るべきタイミングで然るべき評価で必要な資金を提供することを仲介し、また必要な情報・人・追加資金を連れてくることだと考えています。併せて、金融業であるため、実績に裏付けされた資金を預かる出資者からの信用と信頼が不可欠となります。大きく言えば、資本主義経済における正しい資金の循環を媒介する電極のような存在であると捉えています。


先の為末さんの本の話に戻ると、その中でアスリートとコーチの関係性は日本とアメリカでは捉え方が違うと書かれていました。日本ではコーチと言うと師事する相手であり全幅の信頼をおいてその人の指導を仰ぐという色合いが強いが、アメリカではコーチとは自分の必要な部分をサポートさせるパートナーであり、アスリートが自ら自分に合ったコーチを選んでつける、との内容の記載がありました。

その話を読み、起業家とVCは米国で言うところのアスリートとコーチに似ているのではないかと感じました。何事も慮ることは出来ても、それを経験したことがある人にしか決してわかり得ない領域があります。経営者の本質的な悩みは、そのフェーズを過去に経験した先輩経営者にしかわからないと僕は思っています。その中でVCがすべき事はプロフェッショナリズ厶をもって企業の経営をサポートすることであり、自分自身は特に人事・採用およびPR面でのバックアップを行ってゆきたいと考えています。

日本のベンチャー企業を取り巻くエコシステムは自分が起業した数年前と比べても大きく変化し、発展しています。ただし、まだまだです。自分はこの世界が好きなので、これからこの世界の更なる発展に貢献していきたいと思います。

現在市況環境が良く、資金調達市場においては"プチバブル"だと揶揄されたりもしますが、好況不況は繰り返すものであり、起業家もVCも共にその時々なりのやるべきを成すだけだと考えています。

人生は短く、何が起こるかわかりません。その昔、自分が今このような道を歩むことになるとは想像だにしませんでした。

ただ真剣にまっすぐと、最終的に「あー良かった」と人生に満足して死ねるように精一杯これからの日々に対峙し、取り組んでいきたいと思います。

引き続き生意気な僕ですが、これからもよろしくお願い致します。

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2015年1月30日
上村 康太 (Kota Uemura)

VOYAGE GROUPへの御祝いと感謝状

昨日2014/7/2、VOYAGE GROUP(以下、VOYAGEさん)が東証マザーズに新規上場しました。

個人的には非常に感慨深いニュースでした。

大変にお世話になりながらこれまできちんとしたお礼を述べることが出来なかったので、このメモリアルなタイミングで御祝いと感謝の意を述べさせて頂こうと思います。

 

というのも、企業売却をしてDonutsに来る前、シンクランチを起業し経営していたとき、VOYAGEさんの社内にあるBOAT( http://boat.voyagegroup.com/ )というインキュベーションオフィスに無償で入居させて頂いていた期間がありました。

 

VOYAGEさんから投資を得ていた訳でもなければ、何か深い縁があった訳でもなく、不躾に送った Twitter のメッセージがきっかけでした。

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若気の至りと言いましょうか、突然に送りつけたメッセージに取締役CCOの青柳さんが反応して頂き、その後面会、そして入居、という流れとなりました。

 

当時、オフィススペース、インターネット環境、会議室、そして社内バー利用まで全て無料というあり得ない好条件に、飛びついたわけですが、お恥ずかしながら正直なところを申しますと、「裏になにかカラクリがあるのでは」と半信半疑でお話を伺いにいったことを覚えています。

 

蓋を開ければ、裏にあったのはBOATのサイトに書かれている通り『「インターネット領域で起業したい」「成功させたい」という熱い想い・ビジョンを持った学生・若手起業家を支援する、若手起業家育成プロジェクトです。』というただ純粋に起業家を応援したいという "想い" でした。

 

素晴らしい環境を提供して頂けるだけでなく、青柳さんには定例でメンタリングを行なって頂き、事業に関する相談や、社外の方の紹介など様々な支援を行って頂きました。印象的なのは、些細なグッドニュースに対して自分の事のように喜び、声援を送り続けてくれたことでした。

 

それからオフィスを卒業した後、企業売却が決まった際も自分のことのように喜んで頂いたことを今でも覚えています。

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本当にありがとうございました。

 

VOYAGEさんは、「人を軸とした事業会社」と銘打たれている通り、本当に "想い" を大事にしたぬくもりのあるIT企業です。

 

1999年10月のアクシブドットコムの創業から15年、サイバーエージェントによる連結対象子会社化、2度の社名変更、そしてMBOを経ての上場と、これまで様々な難局を乗り越えて来たからこその今のスタイルであると感じます。

 

世に数多く企業はあれど、これほどまでに人を大切にする愛のある企業はそう多くないと思います。
この度上場日当日に公式FBに上げられた投稿と写真もそれを象徴しているように感じました。

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人を大切にし、応援することは時に非効率です。しかし、そこに本質的な価値を見出し、投資を行い、企業としての強みに代えている同社は 素晴らしい存在であり、多くを学ぶことが出来る尊敬すべき企業であると思います。

 

VOYAGE GROUPさん、上場おめでとうございます。

これからの更なる躍進を本気で応援しています。

 

これから30代を迎える20代の僕達へ

明けましておめでとうございます。遂に2014年の幕が開けました。毎年感じることですが、昔からこの年末年始の寒い空気に体と精神が溶けこんでいきそう感じが僕は好きです。

 

2013年を振り返ってみると、自分にとってはこんがらがった思考の整理を行ないながら、迎える日々と対峙する。そんな一年でした。

 

去年、僕は27歳という年を迎えました。迎えるまでは、「あーそろそろ27かぁ」ぐらいに考えていたんですが、迎えた瞬間にこれまで味わったことのないなんとも言えない焦燥感を感じたことを覚えています。一体その正体はなんなのか、そんなことが頭から離れない年の暮れでした。

 誕生日を迎えた翌日に僕はFBに下記のようなポストをしました。

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そんな中、ふとこんなことを思いました。

これまで過ごしてきた20代とこれから迎える30代って何が違うんだろう?

周囲の人に聞いても「別に何も変わらないよー」といった感じ。

ほんとなのだろうか。

 

なんとなく釈然としないまま放置していたのですが、ある日こんな動画に出会いました。


メグ・ジェイ: 30歳は昔の20歳ではありません | Video on TED.com

 

臨床心理学者のメグ・ジェイが、男女問わず全ての20代の若者が知るべきこと、というテーマで語っています。

 

優れたプレゼンテーションというものは、要約ではなく頭から最後までのパッケージで見るべきもという考え方をもっていますので、内容に関してはここでは深くは触れませんが、是非同世代である20代の皆に見てもらいたいと思います。

 

僕は中学校の頃から、誕生日を迎えるたびに頭の中に四等分された円グラフが浮かぶようになりました。0歳、20歳、40歳、60歳と目盛りの振られた一生を80年と設定した円グラフです。

 

20歳を迎えた時に、周囲が「ハタチやー!」「酒飲めるぞー!」とはしゃいでる中で(自分も含む)、脳裏で「え。もう1/4?」とゾクッとした覚えがあります。

 

一般的に人が働いている期間は "下の半円" のみです。

そして、そのうち初めの半分が20代と30代です。

20代が終わるということは、素晴らしい働いていられる期間の1/4が終了するということを意味します。

 

何をくだらんことをグジグジ言っとるんや、という感じかも知れませんが、悩むというととても後ろ向きに聞こえますが、それをくだらないと片付けてしまったら、一時的に楽になれるんですが、後の後悔に繋がるため、こんな風にして意識的に自分を焦らせるようにしています。

 

同世代の仲間の皆さん、大いに悩みましょう。

ただ、一番イケてないのは悩むだけで足が停止することです。

悩みが周囲への不満に転換したときは赤に近い黄色信号です。

何も生み出さないですからね。

 

大事なことは、悩みながらも

自分の未来に対して絶対的な自信と大きな希望をもって、

自分の未来への投資をし続けることである。

 

そんな風に感じた2014年年始でした。

 さあ、今年を去年以上に最高の一年にしてやりましょう。

ヨット部初乗り。そして僕らは航海に出た。

Donutsでは、社内交流活性化の一環として、最近社内部活制度というものを作りました。

生まれた部活は、人狼などに興じるゲーム部、とにかくイラストを描きまくる絵部、サーフィン&スケボーを乗り倒す横乗り部など様々。その中の一つがヨット部。その名の通り、ヨットに乗ろう!というもの。

 

この三連休、ヨット部初の活動が決行されました。

今日はその航海日記を。

 

まずは、眠い目をこすりながら三浦半島の先の方にある三崎口駅に朝10時に集合。

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天候は快晴なり。向かう途中で「YRP野比」という謎の駅名があって驚いた。

ここからバスを乗り継ぎ、ヨットハーバーに向かいます。

 

到着するとそこにはヨット、ヨット、ヨット。

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東京から1時間少々でこんなところに来れるとは。

 

我らの船はどこだどこだ。

 

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 これだ!

 

船長のCTOが笑顔でお出迎え。

めちゃんこかっこええではおまへんか。

 

居てもたってもいられず、乗船!

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真ん中ににゅっと伸びる木の棒がヨットの舵。
これで進行方向をコントロールします。

 

まずは、ブボォー、とエンジンをつけてハーバーを出ます。
そして、少し進んだところで、いよいよ待ってましたビッグイベント

 

「帆を上げろぉー!」

 

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神々しい。実に神々しい。

 

 

舵を取るのは、

 

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弊社総務・経理担当の通称「おじさま」。

グラサンで、片手にはルービー。

学生時代はヨット部に所属し数々のレースに出場し、新卒で大手のセーリングメーカーに就職したほどの生粋のセーラー。

 

風を受けて、船は進む。

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陽を反射して輝く水面。

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ああ、これ以上ないとは、このことだ。

 

 

青い海に、青い空、白い雲。

 

 

心が洗われる。 

 

 

普段、東京のコンクリートジャングルで働く僕らにはもう少し自然が必要なのかも知れません。

 

(中略)

 

初乗りのため、短めの航海を終えて、

三崎といえばこれ。 

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こんにちは、マグロです。

航海の後の飯は、絶品でした。

 

こうして、僕らヨット部の初航海を終えました。

楽しいに違いないと思っていましたが、

想像していた以上に、最高でした。

 

ヨット部は月一回を目安にこれからも航海を続けます。

そして、来年夏レースに出ることが目標です。

 

Bon Voyage!

 

 

schoo (スクー)で授業をしてきました。

先日8月21日に、オンライン動画学習サービス「schoo WEB-campus」にて、"授業"を行ってきました。

 

こんな感じで、

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 なかなか仰々しいタイトルですが、自分がこれまで試行錯誤してきたPRに関する考え方や施策を共有するという内容でお話しました。

 

録画動画が公開されているようなので、よろしければどうぞ。

http://schoo.jp/class/200/

 

schooは創業者の森君が大学時代からの知り合いなので、事業プランを構想していた段階から知っていたのですが、今回授業をやってみて驚いたことは、現場で働く学生インターンのレベルの高さでした。

 

一言でいうと、「プライドを持って仕事をしている」ことを見ていて感じました。

"先生"の迎え入れから、放送前の雰囲気作り、放送中のディレクション、そして安定した放送を実現と、細部にわたって高いレベルで実現されていました。

 

どんな仕事でもそうですが、任された仕事を最高のクオリティで成し遂げようとする気持ちがなにより大事だと思っています。これは、会社のため、とかそういうものではなく、常に高いクオリティを目指そうというスタンスを持っていることで、少しずつ上手く出来るようになってきて、自分自身の成長を感じ、結果ポジティブに仕事が出来るという好循環に入っていきます。

 

例えば、仕事をお金を得るためのゲームにしてしまうと常に他人と比べて嫉妬や劣等感、そして不満を抱えて生きることになります。そんな人生くだらないですよね。そして個人の見解ですが、不思議と目先の利益にこだわる人ほど、長い目でみて損をしているように感じます。

 

話が逸れましたが、schooのスタッフは最高の授業を提供することを第一目標として、それぞれが自分の役割をパーフェクトに近い状態で成し遂げることのみを意識して働いているように感じました。こういった経験は彼らの自信になるでしょうし、将来にとっても確実にプラスに働くと思いました。

 

今Donutsでも、ソーシャルランチ やいくつかのサービスは学生のみで運営されています。これに取り組むメンバーが会社の土俵を借りて色々なチャレンジが出来るチャンスと捉えるか、"お金を得るためのとりあえずのバイト"と捉えるかはそれぞれの考え方次第ですが、前者の方が結果としての自分の人生へのリターンも大きいのではないでしょうか。

 

社内外問わず、何かにポジティブに真剣に取り組んでいる人に、あらゆるチャンスが巡って来ることは間違いありません。同じ任せるなら、前向きに全力で取り組んでくれそうな人に任せたいという気持ちは、想像に難くないですよね。

 

これからのschooの躍進に期待するとともに、Donutsでもレベルの高いインターンチームを育てていきたいと思いました。

 

自分の「好き」が分からないエリート大学生達へ

これまで自分の会社や取り組んできたことに関する振り返りの投稿が多かったので、これからは少しずつ自分の考えをスクリーンショット的に残すポストも行なっていきたいと思います。

 

人事という立場になってから、改めて相当な数の優秀な大学生と出会い話しをする機会を得るようになりました。そこで一つ圧倒的に気づいたことがあります。

 

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それは、

・ 自分の「好き」が分からないエリート大学生が如何に多いか。

 

将来はなんとなくジェネラリストになりたい

最近とにかく色んな経験を少しずつしている

一番好きなことは友だちと飲むこと

チャレンジングなことはしたいけど、正直しんどいことは嫌い

 

今ドキッとしたあなたはその一人かもしれません。

もちろん、何か行動に起こしている人を否定する気は毛頭ないです。ただ、学生の皆さんには一時でも良いから、

 

「自分が何が本気で好きなのか」

「自分は何に一番価値を感じるのか」

 

それを真剣に考える時間を持つことを推奨したいです。

こんなことを言い出すなんて自分も口うるさいおっさんに片足を突っ込み始めたんだなと自省しながらも、割りとまじめに言っています。

 

と、いうのも考えてみて下さい。

 

振り返れば高校時代、あなたは大学ランキングを確認し、目指すべきターゲット大学を定め、自分の得意科目を基準に学部を選び、とにかく必死の思いで成績を伸ばし、一心不乱に勉強に向かいました。

 

そうして、月日が経ち、念願の大学生になった。

人にはこんな感情があるはずです。

「これだけ努力したのだからそれに見合う見返りがあるはずだ。」

 

そして、大学の門をくぐる。

そこで手にするのは圧倒的自由。

そうだ、これこそが見返りだ!

そして何となく楽しいことを目一杯謳歌する。

 

月日は経ち、大学3年生。

あなたは「就職」という大学受験以来の "関門" に出会います。

 

一度競争を勝ち抜くことに最適化されたみなさんの脳は目を覚まし、

「目指すべきターゲット(最難関)はどこだ?」

と狙いを定めます。 

 

いざ、就職活動最前線へ。

目指すは、高給有名企業!

 

目指すべき目標が決まると

競争に勝ち抜くのに最適化された脳はさらに真価を発揮し、

これまで特に興味のなかったことに対して、

「そういえばこんなことに興味があった!」

と、ピンとくる(ような)感覚を与えます。

 

そして、数ある選択肢を眼中より外し、目標に一目散に走り出します。

 

なんで目指すか?

色々理由はある(つもりだ)けれど、

正直なところ「スゴイ」って言われたいから。

中で何をやるのか分からないし、

それをやりたいかどうかは分からないけど、

でもまあこれまでもなんでもそこそこ興味を持てたから

きっと入ってから何か見つけられるはず。

 

そして、社会人になり特に不満もないけれど、特に熱くなることもない。

なんとなく悶々とした日々を過ごす。

 

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一度、ここで止まりましょう。

 

あなたは「あなたの本気の好き」をもとに、大学・学部を選びましたか。

あなたは「あなたの本気の好き」をもとに、これまでの大学生活を過ごして来ましたか。

 

ここで「はい」と明言できる方には、失礼しました。

そのままどうか突っ走ってください。

 

そう明言出来なかったあなたにこの文を書いています。

 

みなさんはターゲットが定まれば、そこに向かって邁進できる素晴らしいエンジンを積んでいます。

これまでの目標は既にある程度設定された中から選ぶというものでした。

これからの目標は自分でゼロから作り出すものです。

 

自分で作り出す目標はあなたの好きから始まります。

 

野球が好きだったからプロ野球を目指した。

歌が好きだったから歌手を目指した。

 

きっと昔は、やりたいことや好きなことがいっぱいあったはずです。

 

でも、その好きの気持ちを気合いで遠ざけ、「好き=邪念」として一生懸命数々の競争に立ち向かってきた結果、知らないうちに好きが分からなくなったのかもしれません。

 

これからの生活は誰かとの競争ではありません。

あなたがいかに自分の好きに近づけるか、という己の挑戦の開始です。

 

一目散に走る方が楽ですが、走る前に一度

「純粋に自分が何が好きか」

それを掘り起こす時間をきちんと取ってみてはいかがでしょうか。

26歳、起業・バイアウトから人事部長へ

今から半年前の2012年12月、僕は自分達の会社を株式会社Donutsに企業売却しました(バイアウトされました)。2011年8月15日の起業から1年4ヶ月。驚くような結果に至ったことを光栄に思っています。

自分にとって大きな人生の出来事を冷静に考えられるようになるまで時間が必要だったのと、バイアウトやったぜ!みたいな浮かれた野郎に思われたくなかったので、半年ほど息を潜めていましたが、この区切りのタイミングで記録として記しておきたいと思います。

僕らの運営していた「ソーシャルランチ」は 前回のポスト でも書きましたが、2011年5月にサラリーマンとして働きながらの福山の個人プロジェクトして世に公開されました。その後、新しいコンセプトのサービスを世に広め、事業化を行なってゆこうと、共にGoogleを辞め、8月にシンクランチ株式会社を創業しました。

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(今も手元にある旧オフィスの表札)

それからの1年4ヵ月の間に起こった出来事の数々は僕の人生を大きく変えるものばかりでした。ただ、ここに書き始めると今日という一日だけではどうにも終わらなくなると思うのと、そんな過去のことをつらつらと書いても仕方ないので、この世に生まれた一つのスタートアップがバイアウトされる最後の場面と、その中の人たちがどんな心境でその次のステップを過ごしているのかをさらっと書きたいと思います。

僕らがバイアウトを本格的に検討し始めたのは、サービスリリースから1年経った2012年10月でした。サービスの大転換をするにあたり、共に歩むパートナーを必要としていました。いくつかの企業との交渉を開始し、その中には海外の企業もありました。

そんなある日、福山がランチからオフィスに帰って来ると興奮しながら言いました。


「Donutsという企業が僕らに興味を持ってくれた。」

 

Donuts?僕は耳を疑いました。
早速、検索をしてみたところ、コーポレートサイトを見るに、どうやらソーシャルゲームを提供している企業のようだ。しかも、『暴走列伝 単車の虎』というなかなかにコアなゲームの会社。しかし、なぜDonutsが僕らを?その展開に驚きを隠しきれませんでした。


当時の僕のようにDonutsという企業についてあまり知らない人が多いかもしれませんが、DeNAの新卒一期生だった西村と根岸の同期二人によって2007年に創業されたベンチャー企業です。ソーシャルゲームを主軸事業にしながら、恋愛とメイクのハウツーサイト『ハウコレ』、勤怠管理システム『ジョブカン』、そしてSI事業など幅広い業務展開をしています。

ちなみに、ハウコレは元々「みんなでつくるハウツーサイト」として運営されており、nanapiのkensuuさんのブログにも言及されています。

・[Howtoサイト] nanapiの競合たちと、その戦略のまとめ

現在は、女子向けに「恋愛とメイクのハウツーサイト」としてピボットを行い、月間2,000万PVを超えるメディアに育ち、事業単体での黒字化を達成し順調な成長を遂げています。

知れば知るほど面白い企業で、創業6年で直近決算期の売上は28億円、社員は70名。

話を戻し、そんなある日のランチから僕らの人生はまた大きく動きだしました。そこからデューデリジェンスが開始し、最終の調整を経て、交渉開始から約2ヶ月後の12月10日に企業売却が完了しました。
・ソーシャルランチをソーシャルゲームのDonutsが買収、創業1年4カ月で


すぐに僕らは自分たちのオフィスをクローズし、チーム全員でDonutsのオフィスに移転をしました。年の暮れ、あっという間の出来事に頭の中を様々なものがグルグルとまわりながらも、前へ前へ足を進める状態だったことを覚えています。

 

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(慌ただしい移転作業中に撮った雑然とした旧オフィスの様子)

 

Donutsに移動してから、僕ら2人はそれぞれ異なった動き方をすることになりました。

まず、福山はソーシャルランチの大規模リニューアルと新規サービスの開発を行うため、Donuts内に『社長室』という新規部署を設立しました。

一方僕は、Donutsの成長を支えるのに必要な人材の獲得と組織作りを行う『ヒューマンリソース部』を立ちあげました。 僕がヒューマンリソース部≒人事部の部長となったと聞いて、多くの人から「どうして?」と聞かれましたが、僕にとってはとても自然な流れでした。

僕らは自分たちの生み出したサービスをより大きくするため、そして世界により大きなインパクト与えられるサービスを生み出すため、Donutsをパートナーとして選びました。
Donutsは可能性に満ち溢れた企業です。創業10年以内100名以下の企業で非上場、そして業界指折りのスマッシュヒットアプリゲームを運営し、潤沢なキャッシュを保有しています。

 

【参考:Google Play 世界月間売上ランキング】

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この可能性溢れる企業を「本物」にすることが自分たちの次なるチャレンジだと考えました。

企業の成長に必要なのは、言うまでもなく【人】です。
僕はそこに自分のチャレンジのフォーカスを絞ることにしたわけです。

26歳そこそこの若輩者がヒューマンリソース部の責任者になることには確かに難しさはあります。しかし、やれることは山ほどあると判断しました。そして良く言われることですが、この企業には社内政治がありません。Donutsのメンバーは外からやってきたそんな僕らを心よく迎え入れてくれました。

そんな経緯で僕はDonutsのヒューマンリソース部の部長となりました。
そして、チームには長年人事に関わってきた優れたメンバーが集まってくれました。

国内でもいくつかバイアウトの事例がありますが、多くの事例はスタートアップが大企業に企業売却をするパターンです。その場合、もしかしたらバイアウトは物語の終わりを意味するのかもしれません。しかし、僕らのように "これから" の企業と一緒になった場合、それは新たなスタートを意味します。

2013年、今年はDonutsにとっても僕らにとっても面白くて仕方ない1年になるはずです。目も回るような大きな変化の日々を過ごす中で、ふとこんなことを思いました。


人生というのは何が起こるか分からないから楽しい。
そして、自分から何かを起こすときが一番楽しい。


まさに今、その何かを起こそうしています。
これからの挑戦にご期待ください。